空飛ぶかめ

小学校での実践について、あれこれ記録します。

単元まるごと考えた、その結果

今回立てた単元の大きな目標は

①「江戸幕府が続いた理由を考える」

②「各政策のプラス面、マイナス面を考えることができる」→社会科を通して、物事の良し悪しを判断できる力を育てる。

 

学習指導要領にある、

「民主的な国家の形成に必要な公民的資質の育成」につながりますよね。

 

ちなみに価値のインストラクションのテーマは投票権

宿題あり党   

宿題なし党   

宿題自由党

 

「3つの党のうち、どこに投票する?」

この問いから始まり、最後は「宿題あり」の長所短所を考えました。

 

「物事には良いところも、悪いところもある。それによって得する人も損する人もいる。君たちには、物事の良し悪しを判断した上で、選択をできる人になってほしい。その判断力を社会科でつけていくで。」

 

その他にもいろいろ語りましたが、長くなるので省略。

 

以下は、江戸時代の課題です。

課題を提示するまでの語り(導入)5分で、どこまで揺さぶれるか、、

様子を見ながら課題(発問)は変えていきます。

 

・なぜ、幕府は大名に参勤交代をさせたのだろう。

・参勤交代では、なぜ大名を江戸まで行かせたのだろう。

・参勤交代のねらいは、ズバリ何でしょう。

・参勤交代が社会にもたらしたプラスは何でしょう。

・大名配置図と武家諸法度の資料から、幕府のねらいを読み取ろう。

・なぜ、幕府はキリスト教を禁止したのだろう。

・なぜ、キリスト教の教えは幕府にとって、どう都合が悪かったのでしょう。

・なぜ、幕府は身分制度を作ったのだろう。

身分制度で、幕府が得することって何だろう。

 

小単元ごとで考えていれば、

きっと投票権のインストラクションなんて、

出てこなかったことでしょう。

良し悪しは置いといて、、笑

 

でもでも、根っこから考えたことって本気で伝えられるものです。

だから子どもたちに響くんです。

 

これは単元まるごとデザインじゃないと、

得られない感覚だと思うのです。

 

 

 

 

働き方革命①〜単元まるごとで考えよう〜

岩瀬さんの本に大きく影響を受けています

 

成果を上げて5時に帰る教師の仕事術

成果を上げて5時に帰る教師の仕事術

 

 
5時には学校を出て帰りたい。
保育所のお迎えは間に合わないけれど、共働きだし、父として出来るかぎり家庭に貢献したい。

現在の通勤状況というと、
発 着
理想 5時→6時30分
現状 7時→8時30分

こんな感じです。
さすがに8時30分となると、息子も寝てしまってて、妻もクタクタ。寝たらすぐに次の日がやってくる笑

これは経験が足りないとか言ってられない。
今できることで最大限の努力する!
というミッションを立てました。


では、何に時間を奪われているのか。
改革すべきことは何か。

ズバリ!
それは『授業の準備』
教師としてとても大切な仕事なのに、他の仕事に忙殺され、気がつけば自転車操業状態になってしまう。
で、できあがる授業のクオリティはというと、、、言わずもがなです。

だから、この夏休みに単元まるごとの授業デザインに『真剣』に取り組んでみました。真剣に、です笑

やってみるとですね、
これまた全然簡単じゃない笑

社会歴史で一単元まるごと考えてみたんですが、まぁ時間がかかる。これはやっぱり経験が大いに影響してくるでしょう。6年初めてだし。

流れはこんな感じ。
①教材分析+単元目標を考える

②各小単元の流れを組み立てる

③単元表の作成、価値のインストラクション
④ワークシートや掲示物など、資料の用意


これがプログラムデザインなのでしょうか。
①に、、、計3時間
②には、、計2時間

こんな時間、学校が始まってとれるわけがない笑

あー、簡単じゃなーい!!
無力だ、、時間かかりすぎ。


でもでも、

向山さんの本にあるように、小単元のパーツから考える授業と、単元まるごとで考える授業とでは、作る過程にも、生み出すものにも「ちがい」があると実感しています。


とりあえず、学校始まる前に国算社は一単元分考えられたから、少しは早く帰れそうかな。

単元まるごとの授業デザインのコツは、うっすらぼんやり浮かんできたのですが、まだ言語化できていので、もうちょっと整理していきます。

「少し先の未来への投資」

これは、相当な努力を要するし、
誰かの単元デザインを丸写ししても、全然意味ないから。追試じゃなくてね。

働き方革命の第一歩です。

さぁ、道のりは長いですよ〜。

リアルは伝わる、良くも悪くも

『学び合い』を再開するにあたって、


なぜ『学び合い』なのか、

1人も見捨てないことで子どもたちが得られるもは何なのか、もう一度自分なりに整理している。関連書籍を読んでは自問自答して、スケッチブックに書く。それの繰り返し。


まぁ、この工程をいくら繰り返しても、やってみないことには何も始まらないし、腹には落ちないんだろうけど、、


「なぜ、学び合いなのか」は自分の中ではっきりさせたくて。じゃないと始めることはできない。覚悟が決まらないから。


話は変わるけど、今「1人も見捨てない」をあるコミュニティで実践している。


やってみた感想というと、、、

やっぱりこりゃ簡単じゃあない(苦笑)

相手の気持ちなんてコントロールできないし、場合によっては自分の感情が揺らいで、つい「勝手にしろよ!」と相手のせいにしようとする自分がいた。


2年前の僕は、そんな様子が子どもたちに見受けられると、


「それじゃいけない。学校は仲間と折り合いをつけながら課題を達成する、その練習をする場所なんだ。将来、自分と仲のいい人とばかりと仕事できるわけじゃないんだよ?簡単にあきらめたらいけない。見捨てたらだめだと言ったじゃないか!」


と表面だけの薄っぺらい、心ない言葉を子どもたちに浴びせていた。子どもたちは僕の心の中なんてお見通しだったんだろな。僕が子どもだったら、アホらしいってなる。確か、ここから『学び合い』が上手くいかなくなった。


「1人も見捨てない」

素敵な言葉だけど、簡単ではない。


それを分かった上で、それでも「1人も見捨てないことって価値があるんだ」ということを僕自身が実感して、共有していかないといけない。「決して簡単じゃない。先生も難しいって思うことあるよ。でも、、」って。


決してかっこよい言葉でなくても、たどたどしくても、大人が本気で感じている言葉は子どもたちに届く。

自分が感じているリアルな部分が、『学び合い』の語りになり、子どもたちを動かしていく。


リアルな言葉で話そう。

それが本気で語るということなんだ。



僕はAL時代を切り開けるのか

友人に薦められて読みました。

よくわかる学校現場の教育心理学 AL時代を切り拓く10講

よくわかる学校現場の教育心理学 AL時代を切り拓く10講

 

 

AL(アクティブラーニング)に取り組むにあたっての心構えや必要な資質・能力について書かれています。

 

読んだ感想を一言でいうと、、、講義を読み進めるごとに冷や汗が止まらなかった。

「このまま、君はALの時代に突入していける❓その覚悟は本物か❓」

と常に問われている気分だった。

 

自分がALと思って実践していた授業は、どれも中途半端でとてもALとは呼べないものであったということ。つまり、僕は学びの深まりを偶発生に委ねていたということに気がついた。

 

堀氏は、ALで子どもたちの学びを深めるためには、発言の順番やKJ法、ワールドカフェによる意見の発散交流など、ファシリテーション的な交流活動を意図的に組む必要があると述べている。交流したからOKという表面的な部分ではなく、学びに深まりが生まれるような話し合いになっているか、という交流活動の構造的な部分への配慮が大切であると。

 

AL型授業を機能させるには、グループ内で「相対的に成績上位の子」に自分よりも成績下位の子がもたらす情報によって「新たな認知構造」を獲得できるという経験をどれだけ保障できるかという点が重要である。

 

 自分の授業は、賛成反対に分かれる対立型で進めることが多く、異なる立場での意見の交流はよくやっている。正直、交流する子どもたちの姿や、話し合った結果、立場が変わる子もいて、その様子に満足していた。けれど、対話の深まりは、その時の子どもたちの調子で左右されることが少なくなかった。

 

 また、個人的な感覚ではあるが、『学び合い』の考えをもとに「はい、どうぞ」で子どもたちに委ねるスタイルは、協同生(つながり)を手っ取り早く深められる一方、ほんとうに学べているのか、表面的な学びで終わってしまっているのでは、という疑問を感じずにはいられなかった。今年は、学びのフォーメーションをこちらで指定するなど、わりと構成的に授業を進めていたつもりであったが、まだまだ爪が甘かったようだ。

 

本書は、そんな形だけのALから脱却するためのヒントがたくさんつまっている。

 

特にインパクトがあった内容は、

《第5講「動機付け」のAL型授業の活動ポイント》

《第6講 「動機付けIII」価値ある情報を生むシャッフルタイム》

 

「交流活動の発言順によって、学びの深まりが変わる」

正直このようなことを考えて授業をしたことがなかった。

これは一斉指導でよく言われる、子どもたちの考えを発展させていくために指名順を考えることと同じなのだけれど。そんな一斉指導の技も授業では使ったこともなく、読むたびに自分の底の浅さを思い知らされた。

穴があったら入りたい気分だ。

 

表面的な姿じゃなく、

交流活動をすることでどのようなことが起きるのか、

構造的な部分にもっと目を向けなければならない。

 

本物のALに近づけるのか。

まだまだ勉強することはもりだくさん。

 

今読んでいるのは、

名著復刻 授業で鍛える

名著復刻 授業で鍛える

 
授業の腕をあげる法則 (教育新書 1)

授業の腕をあげる法則 (教育新書 1)

 
1年間を見通した白熱する教室のつくり方

1年間を見通した白熱する教室のつくり方

 
よくわかる学級ファシリテーション3―授業編― (信頼ベースのクラスをつくる)

よくわかる学級ファシリテーション3―授業編― (信頼ベースのクラスをつくる)

 
クラスのちからを生かす: 教室で実践するプロジェクトアドベンチャー

クラスのちからを生かす: 教室で実践するプロジェクトアドベンチャー

 

一斉指導、ファシリテーション、ワークショップ型と異なる分野を並行読みしている。

 

特に、自分が学ぶべきは 一斉指導の細やかな指導法。

賛否はあるが、一斉指導の技を身につけておいて損はしないと思う。

両極を学ぶことで自分の中に変化が生まれるはずだ。

 

 

本物のALとは何か、

主体的で対話的な学びとはどのようなものなのか、本書を参考に模索していきたい。

思いやりと言う名のノイズ

算数が苦手なA君。


分数のわり算

仕上げの問題です。


スタートから投げやりな感じで。

前においてあるプリント問題をといて解いている。けど、やり方はかなり適当。プリントのレベルも彼からしたら少し高め。これは一緒にやった方がいいなぁと思い、こんな感じで声かけしました。


僕「〇〇君、こっちおいで。一緒にやろう」


子「自分でやるからええねん」

と言いながら、机の上に突っ伏している。


僕「レベル高いプリントやるからやぁ。まずはこの問題からやろうよ」


机に近づき、計ドを開く。


子「俺には無理やからぁ。」


ノートに俺はバカと書いてある。


僕「これはできるやつやん。できる技を少しずつ確実に増やしていこ。まずは計算問題や」


とまぁ、こんなやりとりだったんですけど、

こんな関わり方でやる気にさせれたら、苦労しませんよね。


A君は課題が多い子なんですけど、

今回のことについては彼がなぜやる気をなくしているかをもっと考えなければいけなかった。原因の1つに僕の関わり方の不味さがあったと思います。



・彼が算数に苦手意識を持っていることは多くの子たちが知っている。のにも関わらず、みんなに聞こえる声で指導をする。

・僕の言葉は、結局「〇〇君はできへんから先生がつかな無理やろう」的なメッセージになっている。

良かれと思ってかけてる言葉が、彼の自己肯定感を下げている。


以上のことから、

そもそも授業が始まる前から、

・やるべき課題を明確にしておく

・彼に見合ったレベルを示し、それをクリアする。目標設定を細かくしていく。


などの声かけをすれば良かったのではと仮説を立てる。そしたら授業中に、僕から彼への無用なノイズは少なくなる


自分のレベルにあった明確な目標がある彼は、スムーズにスタートを切れる。


かもしれないと、自分の関わり方を反省しています。僕の声かけはノイズでしかなかった。


反省。





質問づくりやってみました

国語 物語文「風切るつばさ」で質問づくり(QFT)にチャレンジ。


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初発の感想→質問づくりに変えました。


質問の焦点は「各場面の登場人物の気持ち」


ダンロスステインさんが示した手順とは違いましたが、思ってたよりたくさんの質問が出ました。


子どもたちの疑問から授業を組み立てていく。

少し質問づくりのイメージができたかな?


物語文の新しい授業展開が出来そうです。



限界は超えるべからず


①夜な夜な頑張って、睡眠時間削って、家族の時間も仕事に変えて作っためーっちゃ準備された授業。


②睡眠時間はまぁ6時間ぐらいは確保して、家族とご飯を食べて、ちょっと余裕を持って学校にいって、よしこんな感じでやるかと10分ぐらいで考えた授業。



失敗はどちらにしてもあるんですけど、

②の方が授業が成立する。



もちろん。

1単元まるまる準備して見通しを持って臨みたい。でも、どうしてもその日暮らしな日々になってしまいがち。時間の使いた方や実力もまだまだです。


去年は時間もあって、やみくもに実践をやってました。でも、それは自分のことだけに時間を注力していたからできていたことだと思います。



もうこれからは違う。

できる範囲で、増やす引き出しは1年に1個だけ。



慌てて用意した余裕のない自分よりも、

ちょっと準備不足でも、温かく笑顔で雑談を楽しんで、よし今日もやろう!というあったかいエネルギーが表情から自然と出ている大人でありたい。



①だと頭ボーッとして、笑顔少なくて、

子どもたちからしたら目の前にボロボロの先生が立っている感じになってしまって。



自分に余裕がないのに、

子どもたちの気持ちを受け取れるはずがない。

気づくはずがない。



思いつめたせんせいなんて、

子どもたちは嫌だもんね。



最近、こんなことをよく考えます。

ワクワクセンサー

今年一番力を入れたいと思っている

会社活動が始まりました。


「ウェズレーのくに」を読み聞かせして、好きなことをとことん追求する面白さを語りました。



伝えたことは、


「なかなか好きなこと選ぶって難しいよね。わかるよ。仲良しでやりたい気持ちも分かるけど、選ぶときはね、面白いと思ったほうを選ぶと楽しくやれるもんなんだよ。自分軸を大切にね」



できた会社はというと


ベジタブル会社

新聞&インテリア会社

イラスト会社

ATM株式会社

絵本読み聞かせ会社(3チーム)

工作さいほう会社

修理会社

イベント会社

ミニ先生会社

はてなカンパニー


何よりうれしかったのは、

ユニークな会社ができたことではなく、


「面白そうやから、やっぱりこっちの会社にしていい?」

と、自己選択ができていたこと。


今だからこそ、子どもたちには「妥協ではなく、好きなこと、面白いた感じたことで選ぶ」経験をたくさん積んでほしい。


その経験が豊かであれば

ワクワクセンサー、ビンビンの大人が生まれるんだろうなぁ。


そうなって欲しいなぁ。


アップデート〜振り返りジャーナル+α〜

振り返りジャーナル×成長ノート


振り返りジャーナルを自分にとってよりよいものへ。


菊池先生が提唱している成長ノートの実践

に取り組んでいる友だちと話をしていて、感じたこと。


①書く時間

→時間は5分〜10分。ストップウォッチで時間を測って、「集中×書く」の時間を作る。書く時間は帰り会のときにこだわらない(←これは自分の中で大事) 集中して書ければ良い。


②テーマ

振り返りのテーマが思いつかないときがある。これはテーマに特別感を出そうとしすぎてたから。授業内容の些細なこと、極端なことをいえば授業で扱った四字熟語についてなど。テーマはシンプルに。書けるだけ書く。


③ノートのサイズ

大学ノートの3分の1にします。


以上、3つ。

付け足したり、省いたりと、こうすれば!という案はまだありますが、とりあえず今回はこの3つ。


振り返りジャーナルから名前も変わるかもしれません。


学び合い〜『1人も見捨てるな』

『学び合い』が始まりました。


復習&インストラクション 10分

時間は15分〜20分

説明しあいっこ 5分 男女2名以上

有志のプレゼン 5分


価値のインストラクションは以下2つ

1つ目は「助け合えるチームになってほしい」という思い。

2つ目はラーニングピラミッドを見せながら、「対話を重ねて得た学びの価値」を説明。


まずはご近所さん(班)から、相談。

近くの人が忙しそうだったら、号車で。

最後は号車を超えて。

と動ける範囲に制限をつけました。


43人でどうなるかと思いましたが、

人数が多い『学び合い』も悪くありません。


初期なので

『1人も見捨てるな』

『できた人、自分にできることは何や』

とかなりしつこく言ってます。


今はお節介焼きもOK!

僕も教えに行きます(モデルとして)


そして、

心の底からの

「できた」

「あっ、そういうことね!」

という子どもたちの言葉は何にも代え難く、

ほんまうれしいものです。


さぁ、これからです。