習熟度別担当としての初の『学び合い』を振り返り中。19日の会に向けて、工夫したこと、発見したこと、課題と感じたことなどを整理しています。今回は工夫したことを1つ紹介します。
工夫① 3つの成長チャレンジのうち、人間関係を広げるチャレンジを『学び合い』の課題に加えました。
- 3つの成長チャレンジとは
- 『学び合い』の課題に成長チャレンジ②を加えたわけ
- 実際の課題はこんな感じ
- 子どもたちの反応と自分の考え
1.3つの成長チャレンジとは
3つの成長チャレンジとは、岩瀬直樹さんとちょんせいこさんが提案されている学び合いの授業における子どもたちと先生の3つのチャレンジです。
①自分の学びを広げ、深めるチャレンジ
②自分の友達関係を広げ、深めるチャレンジ
③クラスの学びや関係を広げ、深めるチャレンジ
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2. 『学び合い』の課題に成長チャレンジ②を加えたわけ
担任と担外の違い。それはズバリ!!子どもと関わる時間の差でしょう。担任であれば、週35時間ほどの時間を自分の思うように使うことができます。サークル対話やペアトーク、プロジェクトアドベンチャーなどの多様な活動を行い、子どもたちが安心して関わり合える関係性を、時間をかけて築いていくことができていました。豊富なコミュニケーション量が『学び合い』での関係性にも良い影響を及ぼしていたんですね。上の3つの成長チャレンジでいうと、②にあたる「自分の友達関係を広げ、深めるチャレンジ」を年間をかけて用意することができたわけです。
ところがどっこい。習熟度別担当となると、子どもたちと関わる主な時間は1日1回の授業のみ、週5時間ほどです。子どもたちは自由に席に座るので、人間関係もよくわかる。休み時間と授業で関わる友だちが全く変わらないわけです。これでは固定化された人間関係の中でしか学び合えなくなってしまう。担任のようにはできないのなら、たった1時間だけれども、『学び合い』の授業の中に人間関係を広げるチャレンジを組み込めないか!!!と試案した結果こうなりました。
3.実際の課題はこんな感じ
今年度は1時間ごとに課題プリントを作っています。少しアレンジした部分は「~を説明しなさい」という課題。1つ目の説明課題は「班の友だち」と範囲を設定し、2つ目の説明課題は「クラス全体の中で男女合計二人ずつ」と1つ目よりも範囲を広げています。冒頭の語りでも「休み時間に過ごす人だけじゃなくて、普段なかなか話する機会のない人とも関わるチャレンジをしていこう。いろんな人に声をかけ合える仲間になれるといいよね」と伝えていますが、どうしても話しやすい友だちを選びがち。担任であればその他の時間でチャレンジする機会も作れるのですが。今回は語り以外のところ(環境設定)で、子どもたちの成長チャレンジを作ってみました。
4.子どもたちの反応と自分の考え
子どもたちの反応はというと「えー、女子(男子)にも話すんのー!?」と不満タラタラの子もいてますし、ばれないようにいつも同じ子に説明して終わりの子もいてます。一方、どんどん関係性を広げていける子もいて、1学期の終盤には、教師の期待に応えようとする動く子たちが、関係性を閉じがちな子たちに関わりを持とうと動いてくれるようになってきました。今の僕の感覚では、自然な流れで人間関係の広がりを待つよりも、ちょっと手を加えながら人間関係の流動性を保ちつつ、最終的に子どもたち自身が選択して、自発的な広がりを見せていく流れになればいいなぁと考えています。