空飛ぶかめ

小学校での実践について、あれこれ記録します。

授業記録を読んで自分の実践を振り返る①

 夏休み中に丁寧に読みたいと思っている本。

授業づくりネットワークNo.30―授業記録を読もう! 書こう! (授業づくりネットワーク No. 30)

授業づくりネットワークNo.30―授業記録を読もう! 書こう! (授業づくりネットワーク No. 30)

 

 

 今朝、パート1「小島貴之氏の社会科 授業の記録~若手教師の協同学習からみえてくるもの~」をじっくりと拝読させて頂いた。単元は社会科「安全なくらし~警察の仕事を守る」。協同学習(『学び合い』)の授業記録ということもあり、大変興味深く読むことができた。授業記録と自分の実践を照らし合わせて、分析の分析を試みようとしている訳だが、凡人の凡人である私が書けることは授業記録を読んだ感想程度。読みながら線を引いた箇所を引用し、(線を引いたのには理由があるから)自分の実践と比較して感じたことを簡単に書いておきたい。

 

P22 活動開始10分後のストップモーション

『学び合い』の場合、「はいどうぞ」で、子どもたちは一気に離席し、立ち歩いて交流するのが一般的だ。しかし、子どもたちはなぜか離席しない。切り貼りに没頭していく。ここでは明らかに、内容を読み込んで互いに意見を交流したりするのではなく、キーワードを探して関連部分を切り貼りする作業になっている。

 *1

 

 昨年の学級の『学び合い』でも、「はい、どうぞ」のあとは4割ほどの子どもたちが離席していた。振り返りジャーナルにアンケート形式で、離席理由を書いてもらったことがあるので振り返ってみると・・・

①自分の好きな人と一緒に勉強したい

②課題の内容が難しく、他者の援助なしには学習が進まない

以上、2つが理由の多くを占めていた。初期の『学び合い』では①の理由が多かったが、慣れてくると②の理由で必要な場合に離席をすることが多かったように感じる。

 

 さて、今回の授業記録の場合。「はい、どうぞ」の開始で子どもたちの動きが生まれない。なぜなら、子どもたちに配布した資料がもたらしたのは交流ではなく、個人の作業になってしまったから。確かにキーワードを探すだけなら、個人作業で完結してしまう。記録にも「よかれと思って、用意した副読本のコピーが子どもたち同士の学びを遮断してしまったようにみえる」とある。

 かくいう私も、『学び合い』を始めた当初に、補足資料として、ヒントカードなるものを算数の授業で配布したことがある。課題自体が「~の解き方を3人に説明し、サインをもらうことができる」というものであったため、開始15分ごろになると、説明するために子どもたちは席を移動し始めた。しかし、解き方について対話をするために離席するものはほとんどいなかった。なぜなら、周りに「これってどうしたらいいんかな?」と聞くことによって得られたであろうヒントが、既に手元のヒントカードに書かれていたからだ。

 

P23 【ストップモーション

子どもたちの交流を聴いていると、切り貼りした場所を互いに確認し合っている場合がほとんどだ。キーワードを用いて説明し合ったり、その場所を切り抜いた理由を交流したりすることは生まれにくく、答え合わせの状況に近い。これは全員に同じ資料が配布されていることが要因の1つと考えられる。この辺りに協同学習活性化のポイントの1つがありそうだ。

*2

 

 用意した資料が子どもたちの学びにどのような影響を与えるのか。対話を生むものになるのか、それとも・・・。今回の授業記録を読んで、教師の工夫が子どもたちの学びを促進するものになりうるのか、充分に検討する必要があることを再確認できた。ちなみに、2つ目の引用箇所の「これは全員に同じ資料が配布されていることが要因の1つと考えられる。この辺りに協同学習活性化のポイントの1つがありそうだ。」思い浮かんだ学習方法はジグソーぐらい。仮に配布する資料が異なることで、どのような展開がつくれるのだろう。ここはまだまだ勉強不足。ちょうどいい本があったので、再度読み返したい。

 

はい、今日はここまで。

明日も同じ授業記録で振り返りを行います。

 

協同学習入門―基本の理解と51の工夫

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学習の輪―学び合いの協同教育入門

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*1:授業づくりネットワーク№30より

*2:授業づくりネットワーク№30より