空飛ぶかめ

小学校での実践について、あれこれ記録します。

ハイブリッド『学び合い』をするときの心構え

まず、ハイブリッド『学び合い』とは


語りと課題提示をして、「はい、どうぞ」と課題解決を子どもたちに任せる『学び合い』(以下、任せる『学び合い』と呼びます)ではなく、授業の初めにミニレッスンを行うような、一斉授業➕『学び合い』を組み合わせた授業のことを指します。


ハイブリッドの展開は本で示されている『学び合い』の授業展開とは異なり、教師が解説を行うため、その時間だけ子どもの学習時間が削減されます。つまり、子どもたちが課題を解決し、友達をサポートする時間が減ってしまうということです。これは1人も見捨てないを願う『学び合い』の実践者としては致命的な状況といえるでしょう。


そんなハイブリッドな『学び合い』で陥りがちなこと。それは教師がミニ一斉授業を行い、子どもたちの学習時間が減った状況にも関わらず、任せる『学び合い』と同じぐらいの課題量を提示し全員達成を求めてしまうことです。20分と30分の学習時間で提示される課題量や難易度は内容にもよりますが、異なるはず。「1人も見捨てない」を願うのならば、そこは調整しないとおかしい訳です。


もし、一斉授業で何かしらの知識技能を子どもたちに伝えてから、課題解決を任せたい場合。結果として子どもたちの時間を大幅に奪ってしまったのなら、子どもたちを見守るだけではいけません。教師も教える側に回りましょう。フルパワーで子どもたちの状況を可視化し、子どもたちをつなげましょう。


本に書いてあることを大切にしたいと思うあまり「えっ!教えるのは子どもたちに任せるべきだと書いてあるじゃないか!?」と思われる方がいるかもしれません。


大切なことは目の前の状況です。


今扱っている教材と子どもたちの力、授業展開によって柔軟に変えていきましょう。大人の世界でも同じ仕事量を10分でやれと言われるのと30分の余裕があるのとでは、心の余裕も成果も変わってきます。


「一斉授業が混ざったハイブリッド『学び合い』をするなら、一斉授業をした方がマシです」西川先生も主張されてます。その真意は、任せるに値する授業展開でなければ、教師の教授がある一斉授業ベースの方が成果が上がるということだと思います。もし、任せる『学び合い』をしたいのなら、任せるに値する目標と環境を設定し、それに必要な時間を十分に子どもたちに与えること。それから全員達成を求めましょう。