張り切りすぎると見えなくなっちゃいます。
今日から新学期がスタートした学校も多いですね。
息子を保育園に送る途中、すれちがった小学生や中学生の話が聞こえてきました。
「先生、だれやろうな~」
「おれ、○○先生やと思うな!」
「まじかよ、あの先生厳しいやん」
「・・・」
といった具合です。そりゃ1年間共に過ごす先生と友達がはっきりするのですから、子ども達からしたら一大事です。
そんな会話が聞こえたあと、うつむき加減で学校に向かう女の子が1人、僕の方へと歩いてきました。表情はお世辞にも明るいとは言えません。
(学校行くの嫌なのかぁ・・・がんばれ。でも無理するな)と学校へ向かう背中を見つめながら心の中でエールを送りました。
きっと先生方は子どもたちの出会いを良きものにしようと張り切っている方もいらっしゃいます。黄金の3日間という言葉があるぐらいですから。一方、淡々と過ごせる人もいるかもしれません。私はまだ4年目の若造教師ですけど、何年たってもスタートの日は緊張するんだろうなと思います。
ただ、そのドキドキな状態で、素敵な演出を!素敵なゲームを!素敵な語りを!と、「自分のすること」ばかり考えてしまうと、その陰に隠れた大切なものに気づかなかったりします。熱い気持ちというよりは温かい気持ちを持ちながら、頭の片隅に「今日という日にネガティブな気持ちを抱いて教室にいる子がいるかもしれない」という思いは持っていたほうがいいかもしれません。
えらそうにすみません。自分は結構適当な人間なんですが、そんなセンサーだけは結構敏感な方で。一昨年、教室に入るタイミングが遅れて、廊下に一人残ってしまった子がいました。私は学級開きの本を買って、あれやこれやとやること考えていたんですけど、まずはその子を教室に入れるところからスタートだったんです。それ以来、緊張するけど、子ども達の様子をよく見て、その時々に応じたことをやろう。予定通りいかなくていいや。みたいな感じになったんです。
それからのこと、始業式のスタートに必ずやることは、みんなで1つの円になって、全員の顔を見合ったり、「ハブユーエバーどうぞ」というアクティビティをやって、子どもたちの緊張度や様子を観察したり、対話型の絵本読み聞かせをしてのんびり過ごしたり、ペアトークで休暇中の思い出話の共有をしたり。そして先生から一言。こんな感じでした。事前準備は絵本の用意ぐらいです。
ばたばたする日だからこそ、肩の力を抜いてゆっくりとした時間の中、子どもたちを包んであげたい。「めんどくさぁ」「このクラスいやや~」というネガティブな発言をする子がいても、「だいじょうぶだいじょうぶ」と軽やかに取り合わず、でも全体はホールドする。そのためには先生が予定通りを意識するのではなく、その場をファシリテートする意識を持つこと。川の流れのまま、様子を見て時折少し流れを変えてみたり。それは表情とか声のトーンとかいろいろです。
素敵な1年になりますように!
↓は一昨年の学級開きの記事です。
良かったらご覧くださいませ