空飛ぶかめ

小学校での実践について、あれこれ記録します。

体験的な学びは再現される。

長男がバイキンマンに興味を持ち始めたので、TSUTAYAでDVDを借りてきました。(阪急電車×トーマス×バイキンマン×西郷どんOP曲が現時点の息子の関心です。)

 

借りたDVDはこちら↓

  

私も幼き頃はアンパンマンの大ファン(戸田さんと2ショットの写真をとるぐらい)でして、息子に負けないぐらい真剣に見ていました笑 約1時間ぐらいの物語でしたが、その中で心にのこった場面を紹介します。赤ちゃんSLのポッポちゃんが、サンタさんに「サンタさんはどうしてプレゼントをくれるの?」と尋ねる場面です。

 

ぽっぽちゃん

「サンタさんはどうしてプレゼントをくれるの?」

サンタさん

「ほんの小さなことでも誰かに優しくされたり、親切にされたりすると心が温かくならないかい?」

「優しくされたら、ポッポちゃんも誰かに優しくしたり、親切にしたくなるだろう」

「そうやって優しさが世界中に広がっていたら、きっとみんながやさしくなれる。だからプレゼントをあげるんだよ」

 

「なるほどなぁ。優しくされたら、優しくしたくなるかぁ。」

 

家族もそう。

学校の子どもたちもきっとそう。

 

人間って体験的に学んだことは再現できるんだ。

 

優しくされたら、誰かに優しくしたくなる。

助けてもらったら、誰かを助けたくなる。

 

しかし、その逆もあることを忘れてはいけない。

 

いじわるをされたら誰かにいじわるをしたくなる。

「先輩がめっちゃ厳しかったんすよ。だから後輩にも同じことをします」

体育会系に所属していた友だちからこんな言葉を聞いたことがある。

 

目には目を、歯に歯を。

 

脅しや罰を与えるような叱り方をされれば、自分が叱る立場になったときも同じやり方をしてしまう。

 

まさに負の文化のスパイラル。

 

実は昨日、いやいや期を迎えた息子に対して、「~やったら、○○せえへんからな」というへなちょこな脅し文句で叱ってしまいました。息子たちを寝かしつけた後、妻と1日を振り返り「叱ってばっかりやったね。明日は1回も叱らないで関わってみよう。」と約束して。で、その翌日に観たDVDがこの内容。あまりにタイムリーだったわけです。実際の息子との関わりはどうだったかというと…

 結果、同じような状況になっても脅しのような叱り方をすることなく、穏やかに伝えることができました。心構え次第です。だって嫌ですもんね。もし息子の世界でうまくいかないことが起きたときに、息子が誰かに対して「~やったら、○○せえへんからな」という脅しの言葉でしか対話できなくなってしまったら。

 

深く考えすぎでしょうか。ぼくは決してそんなことないと思うんです。

 

体験的に学んだことは繰り返される。自分の関わり方は相手の心の体力を冷やすものになってしまっているのか、それとも温めることができているのだろうか。こればかりは冷静に振り返らないと気づけないし、常日頃から意識しておかなければならないこと。余裕がなくなってしまうと、ついつい冷やす言葉を言いがちな私たち。教育のプロであるならば、感情に左右されることなく乗り越えていかなければならないことです。1学期の『学び合い』で僕が見せた態度はどうだろう?言葉は?と、ついついアンパンマンの世界と自分の教室を並べて考えてしまったのでした。

 

 

【開催1週間前】『学び合い』大地の会 当日の企画案を共有しちゃいます!

『学び合い』の会に向けた準備が進んでいます。第1回目の発表は僕(かなせん)が担当です。『学び合い』経験数を問わず、どなたにも何かしらの発見や問いなどが生まれる場をつくることが僕らのチャレンジ。そのために、事務局一同で「こうすればいいんじゃないか!」と話し合い、自分たちなりに工夫していることを企画案として事前に共有しておきます。

 

 

 テーマ『学び合い』大地の会の特徴

【会全体の流れ】

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【3つの工夫ポイント】

☑授業動画は見せっぱなしにはしません。

事前に観る視点を共有し、子どもたちの姿や授業者の考えを具体的に示します。

☑フリートークだけに頼りません。

個々で振り返る時間、個々の思いを発散する時間を設けます。

☑自身のテーマに加えて、会全体のテーマ(問い)も用意します。

最後にそれらに対する現時点の答えを示してもらいます。

 

【工夫ポイント】

授業動画は見せっぱなしにはしません。事前に観る視点を共有し、子どもたちの姿や授業者の考えを具体的に示します。

 『学び合い』の授業の様子というのは、子どもたちが分からないことを聞きあったり、必要があれば席を立ち移動したりと、積極的に授業に参加する様子が見られます。そのため初めての方でも「あ~、子どもたち学び合っているなぁ」という印象を持ちやすいと思います。でも、それは『学び合い』の表面的な部分。実際気になるところは子どもたち同士の対話の中身や授業者の働きかけ、その時々の授業者の頭の中など、具体的な部分でしょう。ですから、各動画を観る前に注目する箇所を☑チェックポイントと称して提示する予定です。実際はこんな感じ↓

 

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☑フリートークだけに頼りません。個々で振り返る時間、個々の思いを発散する時間を 設けます。

 多くの『学び合い』の会で設定されているフリートーク。実は、僕はフリートークが大の苦手。「参加者全員が各々の問いに対する答えを見つけることができる」という課題のもと始まるわけですが、課題解決までのステップが多すぎてストレスになってしまうのです。例えば、①話し相手を見つける②自己紹介③お互いの現時点の思いを共有④話が深まるかは・・・組み合わせ次第、なわけです。場合によっては聞きっぱなしで終わること少なくありません。「もっと積極的にいかないと~」とダメ出しされたこともあります笑 それだったら、実践者へ個人的にDMを送るなりして解決する方がいいと思っちゃうんですよね。個人的には、フリトークで新たな問いが生まれたり、自分の抱えている課題がすっきりしたりするか否かは、自身の行動力と偶発的性に委ねる部分が大きいのではと感じています。大地の会では、フリトークも設けていますが、一人ひとりが思いを整理したり、発散したりする「1人」の時間(リフレクション)も大切にしていきたいと考えています。

 

☑自身のテーマに加えて、会全体のテーマ(問い)を用意します。最後にそれらに対する現時点の答えを示してもらいます。

 事務局メンバーと打ち合わせをするたびに、「問い」って大切だよねと感じます。今回は会全体としてのテーマ(問い)も設定しております。お時間のある方は前もって考えてみてくださいね。

 

テーマ:『学び合い』という考え方における、あなたのキーワードは何ですか?

 

 開催まであと1週間。台風が近づいているので、天候が心配ではありますが、無事開催できることを願っています。そして、参加者の皆さまにとって良き学びの場となるよう、事務局一同全力を尽くします。今後も、会の当日を迎えるまでに、「予告」という形で会の詳細を発信していくつもりなので、今後もぜひ当ブログをご覧になってくださいね。よろしくお願いします。

300記事更新!今後の目標

【塵も積もれば山となる】


☑️今日でブログの記事が300に!

☑️30歳までにできたことの振り返り

☑️今後の目標


 この記事でトータルのblog記事数が300に到達しました。スタートは4年前の初任のときで、昨年の冬から毎日更新を目標に書き続けてきました。塵も積もれば山となるの言葉通り、昨年の11 月から1年足らずで、読者の数も1桁から36名まで増えました。感謝しています。そして今後もよろしくお願いします。


これまでの振り返りと今後の目標をちょろっと共有して終わりにしたいと思います。



2011年。東日本大震災の年。


 僕はyouth for 3.11という学生復興支援団体で活動していました。その運営メンバーと語り合う中で心に残っている、ずっと意識してきた言葉があります。


「30歳になる頃には何かしらの立場で影響力を持てる人でありたい。小さくてもインパクトを残せる人になりたいよね」と。とにかくがむしゃらに自分が背伸びしなきゃ手が届かないことにチャレンジしてきました。


時はあっという間で、震災から7年が経過。今年の9月で30歳になります。さて、教員4年目・父親2年目でどんなチャレンジができたのでしょうか…。


☑️教員になる前に違う生き方に挑戦

      NPO法人育て上げネットに応募→採用

      1年半の勤務を終え教員生活スタート。

☑️ 1年目の冬ごろからブログ開始

☑️ 教育実習生担当の立候補

☑️『学び合い』の実践を区で発表

☑️ blog毎日更新がスタート

☑️ 教育サークル『学び合い』の会結成

☑️『学び合い』の会 開催(8/19)

☑️ GOTCHAでの出版チャレンジ(進行形)


そして、今後はしばらく1つの実践に注力し、その周辺を深掘りしていくことになりそうです。感覚としては進むよりも、立ち止まり振り返る感じでしょうか。ぐるぐる回ります。


☑️ 『学び合い』の会の定期的な運営

☑️ 協同学習の探求

→原典に立ち返る。

☑️ ファシリテーションの学習

→やはり、僕にはファシリテーションスキル  が必要と分かりました。

☑️ 算数をとことん学ぶ

☑️ blog毎日更新→500記事が目標!



今後もよろしくお願いします^_^





そんな簡単に師には近づけない

【師が読んだ本を仮に全て読んでも、師にはなれないよ。時間がかかるよ。という話】


 ☑️憧れの先生オススメの本をまとめ買い

 ☑️経験値が足らず、理解不能。即封印。

 ☑️2年後、まさかの同じ本購入。

 ☑️今はその本がバイブル的存在。


 私が勝手に師と仰いでいる方がいらっしゃいます。2年前だったでしょうか。その方が教育雑誌でオススメの教育書を何十冊と紹介されていて、それらの本を全て買ったことがあります。Amazonでポチッと。


手に取ってみると、読めない。書いてあることが難しく感じて、全然ページが進まない。


「あれ?全然分からへんわ」


とほとんど押入れ中に閉まってしまいました。


それから2年後。現在。本屋で協同学習に関する本を探していると、「分かりやすい!読み応えありそう!」と今自分が求めている本が見つかりました。サクサク読み進め、線を引き、今後の授業展開のバイブルになりそうな一冊に出会えたと感じていました。(一昨日の話)


そして、本日。

押入れの整理をしていると、


…なんということでしょう。



押入れの中から見つかった本はまさかの一昨日買ったばかりの本と全く同じだったのです笑 


あの時は全く手につかなかった本が、今はバイブルだと!?


不思議なものです。経験値が違っているからでしょうか。


師と同じ本を読めば、同じ思考が辿れる。師に少しでも追いつけるかもしれない。そう思っていたんでしょうけど。


甘い!そんな訳がない。


それぞれが辿ってきた道から見える景色は全く違うもの。


時間は有限だから、少しでも少しでも成長しなきゃって思って前のめりになっている。けど、そんなに焦らなくていいじゃない?と思うわけです。(のんびりやれというわけではなく、成長意欲は大切です)


時間をかけないと気づかないことも分からないこともあるわけで、その一方で時間が経てば分かることもあるわけで。焦っても、師のレベルには絶対になりませんから。自分の成長ヒストリーを楽しむ!ぐらいがちょうどいいのではないでしょうか?


あっ、時間さえかければいいのか!というツッコミはなしですよ。そんなことぐらい分かってますから。


ちなみにこの本です。

協同学習入門―基本の理解と51の工夫

協同学習入門―基本の理解と51の工夫

学習の輪―学び合いの協同教育入門

学習の輪―学び合いの協同教育入門

  • 作者: D.W.ジョンソン,石田裕久,梅原巳代子
  • 出版社/メーカー: 二瓶社
  • 発売日: 2010/11/01
  • メディア: 単行本
  • 購入: 2人 クリック: 3回





大切なのはチャレンジまでのスピード感!

テーマ【決断したらやっちゃぉ】


☑️GOTCHAで出版する原稿を書くまでの話。

☑️やるやる詐欺で終わったらもったいない。

☑️大切なのはスピード感。


※GOTCHAとは…Facebookの教育実践交流グループです。


先日こんなチャレンジングな提案を頂きました


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https://twitter.com/yuuyuuyuu21/status/1027316227436236800?s=21


やりたい気持ちが半分、俺には無理が半分。昨日までは「自分の代名詞となる実践は『学び合い』ぐらい。それを自己紹介も含めて、たった4ページで書くなんて無理無理無理って思ってました。


でもでも、


「あっ、授業案はバーコードリーダーでみんなでつくる『学び合い』のHPに飛んでもらったら短縮できる。blogもTwitterバーコードリーダーにおさめたらなんとかなる!」と、自分でも気の利くアイデアが浮かんだわけです。


早速編集長に確認!


編:OK!


期限を確認!


編:約一年の募集期間を設けてますが、正直今日、明日で勢いよく書くくらいの方が自分のコア部分をえぐる文が書けると思います!


ひぃー、今日中は無理だよぉ。

せめて明日まで…


ちょっと待てよ…こういうチャレンジって、早ければ早いほどいいんだよ。ってyouthのみんなも言ってたな。(復興支援団体で関わった超アグレシッブ集団な仲間たちのことです)

あのメンタリスト DAIGOも大きいタスクは短い時間でいいから少しでもかじるべきって言ってたし、青ちゃんも18分でとりかかるといいってblogに書いてたし。


とりあえず18分だけやってみよう。



気がつけば、1時間半。

夢中になって書いていた。


投稿!第1段階クリアだー!!



さて、何が言いたいかと言いますと。オホン。


ビッグなチャレンジが目の前に来た時に大切なこと。

それは、決断してから、いかに早く行動に移せるかなんです。


前回お声がかかった時は最初から無理と決めていました。これはこれでOK。要は「書きます!」となってから、どれだけスピード感を持てるか。ここにかかってる。勝負は決断したあとなのです。


『学び合い』の会も立ち上げると本気で決めたら、その日に仲間を募る投稿を載せた。今回は編集長に火をつけられたってのも、大いに影響してるんですけどねw


ガンガン攻めていきましょう。

チャンスは掴んだもがちだ!


とカッコつけてたら、編集長からコメントが。


編:『学び合い』への想いか伝わってきますよ。後はデザインも大事だから、そこもよろしく!笑


えっ、、、?


チャレンジは続く。



丁寧な関わりってなんだい?

※内容は全てフィクションです。


「なんで先生は声をかけてくれないんですか?教えるのが先生の仕事じゃないんですか?」


「私から声をかける時もあります。ただ、私は〇〇さんが自分で必要な時間考えて、必要なタイミングで「ここどうしたらいいん?教えてや」と他者に声をかけ、課題を解決できる大人になってほしいと思っているんです。ですから声をかけずじっと待つ時もあります」


「でも、結局テストはこんな結果じゃないですか?待った結果、成果出ていませんよね?」


「プレテストの結果も見てください。この結果と比べると本番のテストは格段に伸びていますよ」


「でも、本人は先生に教えてって言っても「まずは友達に聞いてみよう。」と言って教えてくれないと言っていましたよ。先生がもっと頑張れば、勉強できるようになってましたよね。仕事を放棄してるんですか?」


「…私だけの力では限られた時間の中で全員の子どもたちに細かい指導をするのは難しいんです。ですから、身近な友達に聞いて解決できることはクラスの仲間の力で解決してほしいんです。〇〇さんの疑問なら、私ではなくても解決できる内容が多かったんですよ」


「先生は身近な存在ではないと?」


「いえ、ですから仮に私が他の子の指導にあたっているときに、先生に聞けないからどうしようもできないとなってほしくないんです。もちろん、私に聞いてもいいですが、先生に聞かないとこれは解決できないぞ!と自分で判断した上で、質問に来てほしいのです」


「自分から質問できるようになったのに、そんな言い方をされるんですね」


「答える時もあります。でも、それは内容によるんです。先生じゃないとダメだ。この人じゃないと前に進めない。となるのは将来的に困りませんか?長い目で見て頂けると嬉しいのですが、ご理解頂けませんか?」


 僕が保護者だったら、どう思うだろう。と逆の立場で考えることが増えてきたような気がします。後出しジャンケンじゃなく、何かしらの手段で、子どもと保護者とも、ビジョンを共有しておくことって大切。自分だけで掲げて、学期末にこんなつもりでやってるんです。と言われても…なんだろうな。これまでの3年間で丁寧にやれたこと、まだ一度もないんですけどね。(猛反省)長期的に将来的にって、ちゃんとあなたのお子さんのことを考えてますよ!とアピールしてる風で、必ずしもそう受け取ってもらえるとは限らないんでしょうね。

授業記録を読んで自分の実践を振り返る①

 夏休み中に丁寧に読みたいと思っている本。

授業づくりネットワークNo.30―授業記録を読もう! 書こう! (授業づくりネットワーク No. 30)

授業づくりネットワークNo.30―授業記録を読もう! 書こう! (授業づくりネットワーク No. 30)

 

 

 今朝、パート1「小島貴之氏の社会科 授業の記録~若手教師の協同学習からみえてくるもの~」をじっくりと拝読させて頂いた。単元は社会科「安全なくらし~警察の仕事を守る」。協同学習(『学び合い』)の授業記録ということもあり、大変興味深く読むことができた。授業記録と自分の実践を照らし合わせて、分析の分析を試みようとしている訳だが、凡人の凡人である私が書けることは授業記録を読んだ感想程度。読みながら線を引いた箇所を引用し、(線を引いたのには理由があるから)自分の実践と比較して感じたことを簡単に書いておきたい。

 

P22 活動開始10分後のストップモーション

『学び合い』の場合、「はいどうぞ」で、子どもたちは一気に離席し、立ち歩いて交流するのが一般的だ。しかし、子どもたちはなぜか離席しない。切り貼りに没頭していく。ここでは明らかに、内容を読み込んで互いに意見を交流したりするのではなく、キーワードを探して関連部分を切り貼りする作業になっている。

 *1

 

 昨年の学級の『学び合い』でも、「はい、どうぞ」のあとは4割ほどの子どもたちが離席していた。振り返りジャーナルにアンケート形式で、離席理由を書いてもらったことがあるので振り返ってみると・・・

①自分の好きな人と一緒に勉強したい

②課題の内容が難しく、他者の援助なしには学習が進まない

以上、2つが理由の多くを占めていた。初期の『学び合い』では①の理由が多かったが、慣れてくると②の理由で必要な場合に離席をすることが多かったように感じる。

 

 さて、今回の授業記録の場合。「はい、どうぞ」の開始で子どもたちの動きが生まれない。なぜなら、子どもたちに配布した資料がもたらしたのは交流ではなく、個人の作業になってしまったから。確かにキーワードを探すだけなら、個人作業で完結してしまう。記録にも「よかれと思って、用意した副読本のコピーが子どもたち同士の学びを遮断してしまったようにみえる」とある。

 かくいう私も、『学び合い』を始めた当初に、補足資料として、ヒントカードなるものを算数の授業で配布したことがある。課題自体が「~の解き方を3人に説明し、サインをもらうことができる」というものであったため、開始15分ごろになると、説明するために子どもたちは席を移動し始めた。しかし、解き方について対話をするために離席するものはほとんどいなかった。なぜなら、周りに「これってどうしたらいいんかな?」と聞くことによって得られたであろうヒントが、既に手元のヒントカードに書かれていたからだ。

 

P23 【ストップモーション

子どもたちの交流を聴いていると、切り貼りした場所を互いに確認し合っている場合がほとんどだ。キーワードを用いて説明し合ったり、その場所を切り抜いた理由を交流したりすることは生まれにくく、答え合わせの状況に近い。これは全員に同じ資料が配布されていることが要因の1つと考えられる。この辺りに協同学習活性化のポイントの1つがありそうだ。

*2

 

 用意した資料が子どもたちの学びにどのような影響を与えるのか。対話を生むものになるのか、それとも・・・。今回の授業記録を読んで、教師の工夫が子どもたちの学びを促進するものになりうるのか、充分に検討する必要があることを再確認できた。ちなみに、2つ目の引用箇所の「これは全員に同じ資料が配布されていることが要因の1つと考えられる。この辺りに協同学習活性化のポイントの1つがありそうだ。」思い浮かんだ学習方法はジグソーぐらい。仮に配布する資料が異なることで、どのような展開がつくれるのだろう。ここはまだまだ勉強不足。ちょうどいい本があったので、再度読み返したい。

 

はい、今日はここまで。

明日も同じ授業記録で振り返りを行います。

 

協同学習入門―基本の理解と51の工夫

協同学習入門―基本の理解と51の工夫

 
学習の輪―学び合いの協同教育入門

学習の輪―学び合いの協同教育入門

 

 

 

 

*1:授業づくりネットワーク№30より

*2:授業づくりネットワーク№30より

『学び合い』の課題づくりの工夫~3つの成長チャレンジを入れてみた~

 習熟度別担当としての初の『学び合い』を振り返り中。19日の会に向けて、工夫したこと、発見したこと、課題と感じたことなどを整理しています。今回は工夫したことを1つ紹介します。

 

工夫① 3つの成長チャレンジのうち、人間関係を広げるチャレンジを『学び合い』の課題に加えました。

  1.  3つの成長チャレンジとは
  2. 『学び合い』の課題に成長チャレンジ②を加えたわけ
  3.  実際の課題はこんな感じ
  4. 子どもたちの反応と自分の考え

 

 1.3つの成長チャレンジとは

 3つの成長チャレンジとは、岩瀬直樹さんとちょんせいこさんが提案されている学び合いの授業における子どもたちと先生の3つのチャレンジです。

①自分の学びを広げ、深めるチャレンジ

②自分の友達関係を広げ、深めるチャレンジ

③クラスの学びや関係を広げ、深めるチャレンジ

*1

 

よくわかる学級ファシリテーション3―授業編― (信頼ベースのクラスをつくる)

よくわかる学級ファシリテーション3―授業編― (信頼ベースのクラスをつくる)

 

  

2. 『学び合い』の課題に成長チャレンジ②を加えたわけ

 担任と担外の違い。それはズバリ!!子どもと関わる時間の差でしょう。担任であれば、週35時間ほどの時間を自分の思うように使うことができます。サークル対話やペアトーク、プロジェクトアドベンチャーなどの多様な活動を行い、子どもたちが安心して関わり合える関係性を、時間をかけて築いていくことができていました。豊富なコミュニケーション量が『学び合い』での関係性にも良い影響を及ぼしていたんですね。上の3つの成長チャレンジでいうと、②にあたる「自分の友達関係を広げ、深めるチャレンジ」を年間をかけて用意することができたわけです。

 ところがどっこい。習熟度別担当となると、子どもたちと関わる主な時間は1日1回の授業のみ、週5時間ほどです。子どもたちは自由に席に座るので、人間関係もよくわかる。休み時間と授業で関わる友だちが全く変わらないわけです。これでは固定化された人間関係の中でしか学び合えなくなってしまう。担任のようにはできないのなら、たった1時間だけれども、『学び合い』の授業の中に人間関係を広げるチャレンジを組み込めないか!!!と試案した結果こうなりました。

 

3.実際の課題はこんな感じf:id:metch96:20180804150413j:plain

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 今年度は1時間ごとに課題プリントを作っています。少しアレンジした部分は「~を説明しなさい」という課題。1つ目の説明課題は「班の友だち」と範囲を設定し、2つ目の説明課題は「クラス全体の中で男女合計二人ずつ」と1つ目よりも範囲を広げています。冒頭の語りでも「休み時間に過ごす人だけじゃなくて、普段なかなか話する機会のない人とも関わるチャレンジをしていこう。いろんな人に声をかけ合える仲間になれるといいよね」と伝えていますが、どうしても話しやすい友だちを選びがち。担任であればその他の時間でチャレンジする機会も作れるのですが。今回は語り以外のところ(環境設定)で、子どもたちの成長チャレンジを作ってみました。

 

4.子どもたちの反応と自分の考え

 子どもたちの反応はというと「えー、女子(男子)にも話すんのー!?」と不満タラタラの子もいてますし、ばれないようにいつも同じ子に説明して終わりの子もいてます。一方、どんどん関係性を広げていける子もいて、1学期の終盤には、教師の期待に応えようとする動く子たちが、関係性を閉じがちな子たちに関わりを持とうと動いてくれるようになってきました。今の僕の感覚では、自然な流れで人間関係の広がりを待つよりも、ちょっと手を加えながら人間関係の流動性を保ちつつ、最終的に子どもたち自身が選択して、自発的な広がりを見せていく流れになればいいなぁと考えています。

 

 

*1:信頼ベースの学級ファシリテーション③ 授業編

〇〇〇なしには語れない

「1人も見捨てない教育」


市の研修講師はほめ言葉のシャワーで注目をを集めた菊池省三先生でした。菊池先生にとっての「1人も見捨てない」はどんな意味なのか。どんな教師の姿勢が必要なのか。そんな問いを持ちながら研修に臨みました。


 実際は、授業動画で授業に参加できなくなる子どもの姿を見るたびに、僕は気になるあの子からのメッセージをちゃんと受け取れているかな?そんな問いが頭をかけめぐってたんですけど。気がつけば、自分のメモは菊池先生の飛び込み授業のネタや指導技術についてばかりになっていました。



でも結局のところ、


それらの指導が子どもたちに届き、価値あるものになるか否かの分かれ道は、〇〇〇と〇〇〇があるかどうかなんだな。じゃないと、菊池先生の言葉は咄嗟に出てこない。このことが再確認できて良かった。


さぁて、二学期はちゃんと態度に言葉にして子どもたちに届けられるかな?



今度道場にお邪魔してみよーっと。





今の立場だからできること~育児×坦外の働き方と学び方~

 育児時間休暇という制度があります。ざっくりいうと、1年6か月未満の子どもがいる場合に、1日90分まで休暇を取れる制度です。この制度を利用するまでは、保育所のお迎えに行くたびに2時間ほど時休を使っていました。そんな中、管理職が「育児時間休暇というものがあるから、これを使えば年休を消化せずに済むよ」と教えてくれたのです。時短勤務は聞いたことがありましたが、必要な時に使える育児用の休暇があるとは驚きでした。今年になって、初めて看護休暇も使いましたが、自分が知らないいろんな制度があるようです。

 

 現在、私は担任ではなく高学年の習熟度算数の担当。2時間目~4時間目が算数の授業で、それ以外は教材準備や担当児童の個別対応、他学級の補助となっています。今の私の働き方から考えると、学年と学校の都合さえつけば、8時30分~10時まで、もしくは14時45分~17時の時間帯で休暇を取ることが可能です。家庭の状況に合わせて、かなり柔軟な働き方ができそうです。

 

 さらに、これは育児時間休暇とは別の話になりますが、担外という立場を生かして、これまで以上に校外の研修にも参加することにしました。なぜなら、担任ではない分、放課後の業務は自分の裁量次第で調整可能なものがほとんどだからです。周りとの折り合いをつけながら、校内会議や研修が入らない限りは外に出る。もしくは時間休をとって、教育業界以外の学びの場にも参加してみる。今の立場を存分に生かして、成長していくつもりです。何でもチャンスに変えなければ損ですね。