空飛ぶかめ

小学校での実践について、あれこれ記録します。

『学び合い』を精神論で終わらせないためにできること。かなせんからの提案!

 

昨日書いた記事です。

 

metch96.hatenablog.com

 

『学び合い』がうまくいかないときに、よくされたアドバイス「それは教師の願いや覚悟が弱いからである」と。それだけでアドバイスが終わってしまうのはあまりに不足で、もう一言必要でしょうと。Facebookにも多数コメントを頂きました。まだ、それらの内容をじっくりと咀嚼することはできておりません。ですから、他者の意見を取り入れる前に私の考えを記しておきます。

 

もし私が聞かれたとしたら、こうアドバイスします。

 

「一度、ご自身の『学び合い』に対する考え方や取り組み方を客観的に見てみることをおすすめします。そのために、一度『学び合い』の実践者や関心のある方が集まる会に参加してたくさんお話してみましょう。一緒にいってみますか?」と。

 

そこで、お互いの心を見つめう。

心は言葉や行動でしか示せませんから。きっと違いや差に気づくはずです。

 

「あ、自分はここまでのこと考えられていなかったなぁ」とか。

「あ、こんな風に考えてもいいんだ」とか。

 

考え方と技術はどちらが入り口でも構いませんが、考えのない技術はただのテクニックであり、技術なき考えはただの理想論となってしまうことを忘れたくはありません。

 

大切なのは、自分の考えをメタ認知すること。

 

そのためにできることは、とてもシンプルで、他者の考えと自分の考えを並べて比較し、その違いに気づいたり、その差は何なのかを考えたり、必要があればその差を埋める努力をする。その努力は結果として、テクニック系の本を読むことにつながるかもしれませんし、教育関係以外の世界に足を運ぶことになるかもしれません。

  

昨日お会いしたせいめいさんのtweet。そう、何度も何度も反芻する営みこそが自分の考えを進化させていく。価値観を変えていける唯一の方法だと考えます。
 

 

どんな人も行動に移すときは、その人の考え方が大きく影響しています。無意識のレベルだったとしても、瞬時に自分の価値観に基づき判断をくだしているものです。他者の考えに触れ「観」を磨くことによって、技術の選択肢や技術の出力のされ方も変わってくるはずです。

 

 

最後に『学び合い』で失敗してから再開するまでにしたこと(『学び合い』の会に参加する以外のこと)を紹介して終わりますね。

  1. 『学び合い』の関連書籍を10冊読み、自分の考えを徹底的に分析しました。「考え方」に向き合いたいのであれば、この1冊がおすすめです。

     

     

    不思議なことに『学び合い』がうまくいかなかったときは頭に全く内容が入ってきませんでした。今となっては「うん、うん」と頷けます。
  2. 協同学習やファシリテーションなど、子どもたちに任せるという教育観のある本を読み、『学び合い』の考え方と比較しました。最近ではこの本が大好き。子どもたちに「任せる」ということ、教師が「待つ」ということについて考えを深めることができるのでは。授業づくりのヒントも満載です。僕は陰陽論、山伏修行の話、東洋と西洋の教育観の違いが心に残っています。

     

    深い学びを促進する ファシリテーションを学校に!

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  3. 菊池省三さんの本を読みました。特に「叱る」シリーズ。自分ならどうするか、『学び合い』の考え方ではどのような関わり方ができるだろうかと各ケースのシュミレーションを徹底的に行いました。その他の「~なときはこうするシリーズ」とか「3年目までに身に付けたい○○」など、ケースがたくさん載っている本でシュミレーションすることをお勧めします。

     

    人間を育てる 菊池道場流 叱る指導

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    ○×イラストでわかる!  小学校高学年女子の指導

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  4. 気が付けば、教育書以外の本を読んでいました。青山学院大学の原監督や仲山さんのジャイアントキリング本など、スポーツからの学びが増えてきました。タックマンモデルやコーチングなどの理論にどっぷりつかるようになりました。『学び合い』は集団力学へ重きを置いていますが、集団へのアプローチだけでなく、個へのアプローチも振りかえる良い機会になるでしょう。

     

    力を引き出す 「ゆとり世代」の伸ばし方 (講談社+α新書)

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    今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則――『ジャイアントキリング』の流儀

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  5. オランダのイエナプランの勉強会にも参加しました。そこで勧められたのが以下の本。『学び合い』とイエナプランは全く同じとはいえませんが、異学年学習の提案にあるように考え方に親和性の高さも感じられます。「自立した学習者」を育成するという視点で、『学び合い』を見つめてみると発見があるかもしれません。
    オランダの個別教育はなぜ成功したのか

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     その他にも

     

    インストラクショナルデザイン―教師のためのルールブック

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    「学びの責任」は誰にあるのか: 「責任の移行モデル」で授業が変わる

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     原点回帰も大切!新たな発見があること間違いなしです。

     

    協同学習入門―基本の理解と51の工夫

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他にもありますが、今日はここまで。『学び合い』を実践しているか否かに関係なく、教師として考え方や価値観をアップデートする方法は持っておきたいものです。

 

もう一度言います。

精神論から抜け出すために大切なことは自分の考えをメタ認知すること。

 

 

「あなたの心に問題がある!(だから悟れ!)」的なアドバイスは愚かです。

「Don't think, feel」では解決しないことは多いのです。

 

具体的な行動でしか、具体的な解決策は見出せません。

具体的であれ!!