空飛ぶかめ

小学校での実践について、あれこれ記録します。

『学び合い』を再開したきっかけ(最終話)

 

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 S氏と中学校の教師として『学び合い』を実践されているF氏との飲み会がスタート。私は1,2年目の『学び合い』の失敗を話しながら、現在の子どもたちの実態と2学期から再開するか否か、自分の迷いを打ち明けました。

 

会話文はあくまで再現です。が、内容は同じです。

F氏「去年はどんな感じで失敗したん?」

私「なかなか全員達成ができなくて、最後の語りでは『分からずに困っている人おるのになんで助け合わへんねん』とよく説教していました」

F氏「全員達成なんて、年に何回かあったらええほうやねんで

私「年に数回ですか?でも子どもたちは自分から質問しにくい子や勉強が苦手な子たちがいることを分かっているはずなのに、自分のことばかりしてたんです。一人も見捨てず、全員達成しようと思えばできたはずなんです」

F氏「じゃぁ、君は一人も見捨てずに普段から生活できてるん?

私「えっ!?・・・」

F氏「子どもたちに「一人も見捨てるなよ」って求めるやん。一人も見捨てないってめっちゃ難しいことやねんで。一回やってみたら分かるよ。俺なぁ、地域の自治会で役割あるんやけど、そこで一人も見捨てないを意識して活動してるねん。めっちゃしんどいけど、俺はそれが得やって分かってるから見捨てへんねん。『学び合い』をする前に、まず自分から「一人も見捨てない」をやってみいや。それを勧めるわ

F氏「さらに言うと、俺は子どもたちの10年、20年、30年先を見て、『学び合い』をやっている。君の語りでは「なぜ、一人も見捨てないことが得なのか」が子どもたちに伝わっていないんやと思うで」

 

一人も見捨てないって難しいことやねん。

まずは自分が「一人も見捨てない」を実践する。

子どもたちの10年、20年、30年先を見る。

 

自分なりに『学び合い』の本をたくさん読んで、『学び合い』ってこういうもんやろと理解していると思っていました。でも、本気で実践されているF氏の言葉はどれも重みがあって、本に書いてあるはずの内容も初めて耳にする感覚があったことを覚えています。

 

話を聞いた感想を一言で言うと、「『学び合い』ってそんなたいそうな実践なん!?」ってのが正直なところでした。さらに、私は無理難題を子どもたちに押しつけただけだったのかと。帰りの電車は頭の中がモヤモヤ。再開する勇気を得るどころか、本当に自分は『学び合い』をしたいのか、するとすればなぜなのか、帰りの電車でそんな自問自答を何度も繰り返すことになりました。

 

「一人も見捨てないって難しいねんで」

そんなこと一度も考えたことなかった自分がただただ情けなかったです。

 

『学び合い』再開!!に続く。