4〜6冊目「非・バランス」「秘密の道をぬけて」「お江戸の百太郎」
4冊目
誰しもが「何か」を抱えながら生きている。大学時代の自分を思い出した。何かに没頭することもなく、自分の物差しだけで付き合う人を選んでいた時期。アルバイト先で知り合った先輩たちの存在がボクを救ってくれた。「お前はお前でいいじゃない」あの不安定さで立っていられたのも先輩たちの存在があったからこそ。この本を紹介したい子の顔が浮かぶ。友達関係で悩みのある子や思春期にさしかかる時期の子たちは共感できるかも。
5冊目
実話に基づく逃亡奴隷のお話。1850年代のアメリカだ。この11年後に奴隷制度をめぐって南北戦争が起きる。ストーリーは主人公の家族が逃亡奴隷の家族をかくまうところから始まる。物語はテンポよく進むので読みやすい。女性の参政権をはじめ、人権の尊重や自由を人々が求めた時代。歴史というのは一言でいうと、お互いの自由の相互承認を求める戦いなのかもしれない。確か、高校の世界史でアメリカの奴隷制について学ぶタイミングがあったのだけど、そんなときに関連づけて読めたらよかったな。
6冊目
まだ第一話しか読んでないのだけど、面白かった。百太郎の鋭い推理力がテンポ良く物語を進めていく。まさにお江戸版名探偵コナン。お父さんは毛利小五郎かな笑 歴史を学ぶ6年生の教室に置いておきたいと思った。落語もそうだけど、物語を通じて、昔の生活や人間味に触れられる機会があるのはよい。教科書の情報や資料をより豊にしてくれる。それに、昔といっても、人間の面白さやずるさというのは今と大差ないことに気づけたりもする。ここ結構大切。そこまで人は変わらないんだよね。作者はズッコケ3人組を書いた那須正幹さん。後書きを読んで気づいた。
話は変わるけど、6年の歴史とこの本のように、読書家の時間と教科の学びを関連づけていける環境をつくりたいんだな。今読んでいる教科書をハックするでも提案されているけど、教科書以外のテキストが豊富であれば(質も大事)、子どもたちの予備知識や語彙の強化、学習内容の関連づけにもつながる。つまり、もっともっと本を手に取る必要があるのだけど。歴史ならこんな本がいいかな?(江戸時代限定)